• 連載
  • 2014-11-04

Monthly pageview: 41

身近にあるイノベーション


【第2回】圧倒的な品揃えと在庫回転率。Trade-offなこの二つを制する

さて、日本の家電量販店には成り立ちから見て2種類あります。

レールサイドとロードサイド

今は、ヤマダ電機もレールサイド出店をするようになりましたが、ヨドバシカメラは典型的なレールサイド型、ヤマダ電機はロードサイド型から始まった企業です。
郊外の幹線道路に目立つものは、車のディーラー、ファミレス型の飲食施設、そして家電の量販店です。郊外型モールの近くにもあります。いずれも家族で出かける場所という設定。なので、家族で決めてそのまま持って帰る商品が中心でした。ヨドバシカメラやビックカメラは新宿や池袋など大きな駅のそばにあり、電車でその駅で乗降する人を対象にしています。行き帰りに見てさわってみて、買って帰るもの‐カメラ、携帯、PCなどといった商品が中心になっています。
この2種類の各トップ企業2社を比較したのが次の表です。

Yodobashi-Yamada比較表

売上高と利益については前回述べましたが、それ以外にここで注目すべきは、店舗数・取扱品目数・そして在庫回転率です。まず店舗数ですが、レールサイド型は都心の大きな駅のそばに巨大な店舗を持つのが特長であるため、幹線道路にぽつぽつ店を出すロードサイド型に比べ、店舗数が少なくなります。それと反比例するかのように、ヨドバシの品目数(SKU)はヤマダと10倍以上も違う53万点となっています。モバイルやAV機器などライフサイクルの短い、しかし小型の商品を取り扱うヨドバシにとって、この圧倒的な品揃えがCore Competenceとなっています。ヨドバシに来れば何でも見つかる、という価値、そして、機会損失を最小限にするという価値です。

ただ、いたずらに取扱商品の種類を増やすと、在庫が増えることになり、薄利多売の量販店としては赤字を出すことになりかねません。ここで見るべきことは、ヨドバシの在庫回転率です。ヨドバシカメラでは「売上高の90%を占める品目」をSCM(Supply Chain Management)対象項目としており、さまざまな観点で管理しています。その結果、売上に直接影響するような売れ筋商品は年間30回の回転率、すなわち約12日で入れ替わってしまいます。ヨドバシの得意とするデジタル家電は発売されてから徐々に価格が下がっていきます。量販店のような小売形態に置いては、いかに安く仕入れ、いかに高く売るか、が肝です。仕入れて12日ですべてを売り切ってしまう力、すなわち値下がりしない間に売ってしまう力、すなわち「高く売りきる力」がヨドバシにはあるということをこのことが語っています。

この在庫回転率のベースになっているSCMについて、次回は少しお話ししましょう。


ベンチマークと分析の考え方 全員無料プレゼント

このE-Bookは、製品のデータマーケティングにおける大局観と具体化(1)から(3)の各セクションについて、オリジナルの図解で解説したものです。自社の事業特性に合わせてご活用ください。
ダウンロードはこちら(無料)

この身近にあるイノベーションバックナンバー ─身近にあるイノベーション記事─

あわせて読みたい ―関連記事―