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  • 2016-04-04

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ユーザーの心をつかむインターフェイスの作り方


Webサイトを使いやすくするために人間の仕組みを知ろう。その2

今回は前回にひき続き認知心理学の観点からユーザーのアクションを引き出しやすくなる表現の方法を紹介したいと思います。

バーナム効果

まずは頭の中でよいので以下の質問に答えてみてください。

  • 他人から好かれたい、ほめられたいと思っているが、自分に自信がない部分もある。
  • 自分には生かしきれていない才能がまだあると思う。
  • 意外とヘコみやすいが、すぐに立ち直ることができる。
  • 楽しい事は好きである。
  • 自分の意見を持っているが、人の意見も聞くことができる。

どのくらい当てはまったでしょうか。だいたい3つ以上はあてはまったのではないでしょうか。

実はまわりの人に同じ質問をしてみても、同じような結果になると思います。人はこのようにあいまいな質問をされると、例えば「昔、失恋して落ち込んだけど今はもう立ち直っているな。」など自分の経験にひも付けて自分にあてはまると感じます。これをバーナム効果(またはフォアラー効果)と言います。

実際の利用例としては
「借金返済でずっとお悩みなら、安心・安全の△△△法律事務所が解決!」

「ずっと」というのは1ヶ月なのか1年なのかわかりませんが、ユーザは自分にぴったりの期間に置きかえて「このサービスは自分にピッタリあった商品だ」と解釈します。ここは「長期間お悩みなら」「最近お悩みなら」などと言わず解釈の広い言葉を使っていることがポイントですね。

ツァイガルニック効果

これは完成されたものより未完成なものに魅かれる(または記憶に強く残る)という心理現象です。

TV番組でよく見かける「60秒後にあの有名芸能人が○○なことに!」などといったCM前のメッセージなどが身近な例ですね。Web上ではバナー広告などで活用することができるでしょう。例えばダイエット商品の広告LPに誘導する際にはどちらが興味をひくでしょうか。

(1)あの芸能人が00kg痩せた理由って?
(2)イチ押し!おいしく痩せるフルーツゼリー

これは(1)の方が興味を引くのではないでしょうか。ダイエットに興味のない人もクリックさせてしまうデメリットもありますが目的のページに人を呼び込むという点では有効ではないでしょうか。

リフレーミング

リフレーミングとは、ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事を枠組みをはずして、違う枠組みを新たに定義することを言います。

分かりやすく言うと指定の時間まであと10分だったとして「あと10分しかない」「まだ10分もある」という違いのことですね。言い方ひとつで同じ事象なのにポジティブにもネガティブにも伝えることができます。

さてこちらの活用例ですが、有効なのはユーザーがあまり日常的に利用せずに相場観や選び方のよく分からないサービスに向いているでしょう。

例えばあなたが弁護士事務所の広告を担当したとして、B弁護士事務所は「相談料 1時間7,000円」、C弁護士事務所は「相談料 1時間5,000円」と宣伝をしています。しかしあなたの弁護士は相談料が1時間2万円です。
ユーザーは弁護士の選び方はあまり分からずにとりあえず値段で選んでしまう可能性が高いでしょう。

しかし、ここに「値段だけで選んでませんか?弁護士を選ぶためのチェックポイント10」といったコンテンツなどで価格以外の比較の軸を与えてあげることで競合と比較される際に単純な価格比較だけで選ばれる可能性が低くなります。

これはつまりユーザーに値段以外に比較の枠組みを用意した(リフレーミング)ということになります。

コントラスト効果

あなたがどこかのお店で「この商品は安いな。」と思う商品があったとします。

この時、どうして安いと感じたのでしょうか。 この商品の原料は○○と××で、原価は000円くらいで、それに開発費と人件費を入れると… なんて考えて「安い」と判断することはないですよね。

きっと別のお店で00円で売っていたなとか何かと比較して「安い」と判断しているでしょう。
人間は何かを判断する際にこのように相対的に物事を捉える認知特性があり、これをコントラスト効果といいます。

この効果を利用したポピュラーな例がいわゆる「松竹梅」ですね。

MENU:松竹梅コースとA,Bコースの参考例

例えばランチを食べに行ったときに上記のようなメニューがあったとしたら、1のケースでは竹コース、2のケースではBコースが頼まれやすくなります。

同じ1,800円のコースですが、1の場合はさらに上位のコースがあることで相対的に竹コースがお得に感じらるために竹コースが一番選ばれやすくなります。こういった場合はだいたいお店側でも竹コースが一番利益率が高く設定されています。

WEBサイトでは月額課金制のサービスの料金表などがいい例ですね。そして一番売りたいプランが太字などで強調されていたり、オススメなどと書かれています。複数の選択肢があるとユーザーは損をする選択はしたくないと不安になるので、こういった訴求に食いつきやすくなります。

Backlog プランと料金

Backlog プランと料金(http://www.backlog.jp/license/)

いかがでしたでしょうか?

今回は機能的な面よりはコンテンツの中身をどう見せていくかという時に活用できるものをいくつか紹介しました。用語としては知らなかったけど、見かけたことがある、実際によく使っているものなどもあったのではないでしょうか。

何かを伝える際にはどうしても自社の商品、サービスはよい、細かいことは言わなくても分かるだろうと説明が不十分になるケースが多くなりがちですので、このような一般的な認知効果やいかにユーザーの目線を想像してコンテンツをつくっていくかが大切になるでしょう。


このユーザーの心をつかむインターフェイスの作り方バックナンバー ─ユーザーの心をつかむインターフェイスの作り方記事─

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