• 連載
  • 2016-01-05

Monthly pageview: 2

デジタルマーケティング・アメリカ通信


【第2回】ECサイトにおけるコンテンツ・マーケティング活用法

今回はECサイトにおける「コンテンツ・マーケティング」の活用法を解説していきたいと思います。

注目を集めるコンテンツ・マーケティング

コンテンツ・マーケティングという言葉が世に出てしばらく経つのですが、ここ数年、急速に認知が広がっているように思います。

Googleトレンドにおける「Content Marketing」の検索数の推移(アメリカ合衆国)

コンテンツ・マーケティングの先進国であるアメリカを例にとると、Googleトレンドにおける「Content Marketing」というキーワードの検索数は、2013~2015年でほぼ倍増しており、今も増加傾向にあります。

実際アメリカでは「Content is King(コンテンツは王様)」や「Content is Currency(コンテンツは貨幣)」などとさえ言われるようになっており、コンテンツ・マーケティングはデジタル・マーケティングにおいて中心的な役割をになうまでになっています。

なぜECサイトにはコンテンツ・マーケティングが必要なのか?

コンテンツ・マーケティングが重要視される理由

それでは、なぜこれほどまでにコンテンツ・マーケティングが重要視されているのでしょうか。

その理由のひとつとして、「良質なコンテンツなしでは良質なターゲット・オーディエンスを獲得できない」ということが挙げられます。

ECサイトを運営する際に考えるべきこと、つまりは最終的な目標であるCVO(顧客価値最適化)のために必要な要素として、

  • アウェアネス(認知)の増加
  • トラフィック(アクセス)数の増加
  • エンゲージメント(反応)率の向上
  • コンバージョン(顧客への転換)率の向上
  • リピート客の獲得

の5つがあります。

マーケティング・ファネル

これらをマーケティング・ファネルに沿って考えてみると、

Top of Funnelに導くために
・アウェアネス+トラフィック数の増加のためのコンテンツ

Top of Funnel→Middle of Funnel
・エンゲージメント率の向上+トラフィック数の増加のためのコンテンツ

Middle of Funnel→Bottom of Funnel
・コンバージョン率の向上+トラフィック数の増加のためのコンテンツ

Bottom of Funnelに留まる
・リピート客の獲得+トラフィック数の増加のためのコンテンツ

を用意しておく必要があることが分かります。

すべての位置において重要となるポイントの一つは、「いかに頻繁にサイトを訪問してもらえるか」という点です。

安定したトラフィック数を確保することは、どのマーケティング・ファネルに属する相手に対しても有効な施策となります。

そして、安定的にある程度のトラフィック数をあつめるために、もっとも効率的な施策が「コンテンツを充実させること」すなわち「コンテンツ・マーケティング」なのです。

これは、メディア(TV、新聞など)に引き寄せられたオーディエンスに対して広告を出す、という従来のビジネスモデルを、より進化させることで生まれた概念です。

ECサイトとコンテンツ・マーケティング

上記の理論をECサイトにあてはめてみると、ECサイト自体がオーディエンスを引き寄せるコンテンツを発信するメディアになる、というアイディアが出てきます。

競合相手より充実したコンテンツ(すなわち「価値」)をオーディエンスに与え続けることで、一定数のトラフィックを継続的に集めることができるのです。

ECサイト戦国時代を勝ち抜く必須事項として、コンテンツ・マーケティングが挙げられる所以です。

この考え方は、アメリカのコンテンツ・マーケターの口癖でもある「Value First(バリュー・ファースト)」、「価値あるコンテンツ提供」ありきのマーケティング手法です。

良質なコンテンツを制作するために意識すべきこと

では、安定的にある程度のトラフィックをもたらすコンテンツとは、どのようなものなのでしょうか。アメリカのDigital Marketer(デジタル・マーケター)から学んだ内容をもとに、紹介していきます。

1. 役に立つ内容である

「役に立つ」というのは、今やコンテンツ・マーケティングにおいてもっとも重要と言える要素でしょう。

人がインターネットで時間を費やす最大の理由は、突き詰めれば「役に立つコンテンツを見つけるため」です。

役に立つ内容が発信されていないと定期的に訪問してもらえず、エンゲージメント率が向上しないためビジネスにつながる機会も減少します。

「役に立つ」ということは、専門的な情報を盛り込んだコンテンツでなければならないというわけではありません。重要なのは、相手がComsumable(消費できる)という事です。

たとえば、ブログの記事を読者の記憶に残すためにはどうすれば良いかを考えてみると分かりやすいでしょう。

その記事が、読者の実際の仕事や生活に役立った場合は、印象に残る記事になると思います。

しかし、専門的で情報量が多く、オリジナリティに富んだコンテンツであっても、読者の実際の仕事や生活とまったく関係のない内容であれば、なかなか印象に残らないのです。

読者に価値を実感してもらえるコンテンツ作りを心がけましょう。

2. 人間味を感じられる

インターネットの出現で「人と人とのつながり」が希薄になったかというと、決してそんなことはありません。

むしろ、インターネットのおかげで地理的・時間的な制約を克服し、あらゆる人々とつながることができるようになりました。

制作者がどのような人間か感じられるようなコンテンツは、人の興味を引きやすいといえます。これはビジネス系のコンテンツであっても同様です。

3. 他の人と紹介し合える

他の人やサイトから紹介してもらえることは、「コンテンツの拡散」の観点から、とても大切です。

特に、インターネット上で紹介してもらった場合、「被リンク」となりトラフィック数が増えたり、信頼性アップにつながったりする可能性があります。

4. 宣伝(プロモーション)

新しい商品の販売やサービスを開始する時などに、まずインターネット上で紹介して顧客の期待感を高める手法です。

その投稿がどれくらいの回数読まれているのか、どの程度ソーシャルメディアで拡散されているのか、また、オーディエンスからのコメントなどを収集し、

  • 「閲覧数」「拡散数」などの量的データ
  • 「コメント」などの質的データ

を確認することで、マーケットでの反応や期待値を予測することができます。

5. 議論の余地がある

難易度は高いですが有効な手法です。ハマれば新たなファン層を開拓できる場合もあり、より読者のエンゲージメントが深くなることもあります。

実は、読者はコンテンツ制作者が発信する情報だけでなく、制作者のPerspective (物の見方や考え方)を支持してついてくることが多いのです。

制作者の側からすれば、自身のPerspectiveをアピールするよい機会にもなります。

ただ、使用する際には注意が必要なので、コンテンツの種類の1つだと心得、傾倒しすぎない方がいいでしょう。

6. 楽しませる

人がインターネットで過ごす時間のうち、シェアが大きいもののひとつです。

楽しいコンテンツは多くの人を惹きつけます。これでもかとバカ話を連発しろという訳ではありませんが、適度なユーモアは大切です。相手が楽しい気持ちになるようなコンテンツを発信するよう心がけてみましょう。

7. 時宜を得る(タイムリーに)

特にキーワードリサーチなどの際に有効となります。常にアンテナを張りましょう。またトレンドの話題と、自分の発信するコンテンツをいかに組み合わせて制作するかを考える習慣を身につけておくと、クリエイティビティのアップにもつながります。

これら7種類のポイントをしっかり押さえ、うまく組み合わせながら、コンテンツ制作を考えてみてください。

コンテンツ・マーケティングのゴール

最後に、コンテンツ・マーケティングにおける究極のゴールについて解説し、今回の通信を締めたいと思います。

コンテンツ・マーケティングのゴールとは、従来からあった、メディア媒体を利用して広告を出稿するという手法から脱却することです。

ECサイトの場合なら、サイト上に直接良質なコンテンツを発信していくことにより、単なる「マーケットプレイス」から、人々に愛される「メディア」に変貌していく、ということになります。


『顧客経験価値を120%に引き上げる』 顧客コミュニケーションを想定した オウンドメディアの構築法とは

オウンドメディアは顧客との対話を通じて継続的に発展していく特長のあるメディアです。
ダウンロードはこちら(無料)

このデジタルマーケティング・アメリカ通信バックナンバー ─デジタルマーケティング・アメリカ通信記事─

あわせて読みたい ―関連記事―