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  • 2015-12-21

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ユーザーの心をつかむインターフェイスの作り方


【第1回】お客様をおもてなしするフォームの作り方

数多くのWebサイトにおいてお問い合わせ、資料請求、会員登録などフォームを利用することは現在では一般的なものとなっており、実際に利用されている方も多いと思います。

様々な試行錯誤がされ、昔に比べると高機能で使いやすいものが増えてきていますが、いまだに使いづらさを感じるものも少なくはありません。今回はそのフォームでいかにユーザーをおもてなししていくかを考察したいと思います。

一般的にフォームとしてクリアすべき点は以下のようなものがあります。

  • 必須入力か任意入力のどちらであるかを目立たせる。
  • 入力形式(半角・全角など)に指定がある場合は注釈を入れるか自動で変換する。
  • 入力項目が多い場合は複数のページに分け、完了までは入力内容を保持する。
  • 完了までの流れと現在地をわかりやすく示す。
  • 入力エラーのあった部分は強調して分かるようにする。
  • なぜエラーになったかがきちんと分かるエラーメッセージを出す。
  • データの通信は暗号化をする。
  • ベリサインなどのデジタル証明書を掲載する。
  • 個人情報の取り扱いについて掲載し、同意確認をする。

いかがでしょうか?クリアできていない項目があれば早々に対応をした方がよいと思いますがこれはあくまで使いやすさという観点での基本です。フォームはユーザーに対して接客を行う場だということは意外と見落とされがちではないでしょうか。

フォームを利用するユーザーはWebサイトに対して何かしらのアクションを起こそうとしているので適切な対応がなされないと心象を悪くし、会社やサービスへの信頼感の低下にもつながりかねません。
「愛想の悪い受付係」 「対応の悪い店員」 といえばそれは誰しも大きな課題と感じるでしょう。
しかしWebサイトにおいてはまだまだそういった状態が散見されていると思います。

ここからはいくつかの視点からフォームとはどうあるべきかを述べていきます。

言葉使いについて

まずは言葉使いについてですが、みなさんは普段、話をする相手、場面によって言葉使いや使う言葉を変えますよね。お客さんにタメ口で話すことはないですし、子供に向かって難しい単語を使ったりはしないでしょう。

これがWebサイトになると相手が目の前にいないということもあり、適切な言葉が選択されていないケースが多々見受けられます。

例えば入力に間違いがあった場合のアラート文言。

「入力内容が正しくありません」「数字は全角で入力してください」

どこでも見かけるのでもはや慣れてしまっている感もありますが、入力の仕方や全半角の指定はWebサイト側の都合で勝手に決めているものなので、一方的に「違います」「正しく入れてくれ」というのは少し横柄な印象はないでしょうか。

以下のような対応はいかがでしょう。

株式会社エバーライフフォームイメージ

画像引用元:株式会社エバーライフ(https://www.everlifegroup.jp/)

非常に心象がよいですよね。ユーザーの間違いを指摘しているのでなく、手間をかけさせて申し訳ないという気持ちも伝わってきます。

続いて言葉の選び方ですが、専門用語を使いすぎているケースも要注意です。ITの専門用語や業界特有の言葉などは分かりやすい言い回しにしたり、解説をつけたほうが親切でしょう。

例えば【都道府県はモーダルウィンドウから選択してください。】という案内があったらどうでしょう?

ITを生業としていない人で「モーダルウィンドウ」が何を指すか分かる人は少ないでしょう。極端なケースで言えば「以下のプルダウンから選択してください」と言ったときに「プルダウンってなに?」となることもターゲットによってはあり得ます。

サービス特性を理解し、どういった人が利用するかで使う言葉を選んだり、解説を加えたりという工夫が必要ですね。

こちらはアプリですがサービス全体がターゲットにあわせて最適化された良い事例です。

Yahoo!ショッピング「らくらく通販」

画像引用元:Yahoo!ショッピング「らくらく通販」(http://commerceapp.yahoo.co.jp/shoppingappli/rakuraku/)

例えば「カート」は「買い物カゴ」、「カートに入れる」は「この商品を買う」となっており、ターゲットであるシニア層にあわせた適切なラベリングがされています。

オフラインとの連携した対応フロー

フォームといえばオンラインですべて解決したい、電話の問い合わせを減らしたいと言った目的で
実装されるケースもありますが会社やサービスを代表してユーザーと接していることを忘れてはいけません。返信が遅ければ不信感にもつながるし、返答が不親切であれば購入や契約をやめられてしまう可能性もあります。

こちらもいくつかのポイントがありますが、まずはフォーム送信後の流れや返答期限を明示することが重要です。ある程度以上の企業サイトでも「お問い合わせありがとうございました。」で終わっているサイトを数多く見かけますが、それでは返答が来るのか来ないのか、どのくらい待てばいいのかユーザーは不安になってしまいます。

最低限以下のような案内は必要だと思います。
————–
お問い合わせありがとうございました。
いただいたお問い合わせにつきましては○営業日以内にEメールにてご連絡いたします

○日以内にご返答がない場合はお問い合わせが正しく送信されていない可能性がありますのでその際はお手数ですが××××までご連絡ください。
————–

ポイントとしては

  • 返答があるのかないのか
  • あるとしたらいつまでにもらえるのか
  • 返信がなかった場合にどこに連絡すればよいのか

を明示していることでしょう。

よく起こる問題としては内容によって担当部署が異なり社内での責任の所在が曖昧になるケースです。結果的にユーザーへの返答に多大な時間を要し、忘れた頃に返信がくるといった状況を招きユーザーの信頼を失ってしまうことになってしまうでしょう。

そうならないように普段から回答フローや期限、責任者などを明確にしておくとよいでしょう。

昔は問い合わせて何日か後に返信があればよいというイメージでしたが、購入した商品ですら当日に届く現代では、返答に数日を要するというのはサービスとしては決して品質が高いと言えなくなっているでしょう。

Webフォームは面と向かうことがないのでユーザーの率直な意見が聞けたりするメリットもあるが、相手の顔やリアクションが分からないので「知らずのうちに顧客を失っているかもしれない」ということを認識して仕組みを整備することが重要だと思います。

最近ではアクセス解析や高機能なEFOツールによって、フォーム上でのユーザーの行動を細かく分析することができるようになったので、顔が見えないこその高品質な接客を考えてみるべきではないでしょうか。


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