• データマーケティング
  • 2014-09-25

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マーケティング寄り知的財産の発展性

今回はマーケティングと知的財産の関係について取り上げる。ノウハウを主とした無形の財産の一部、またはブランドの一形態としての組織戦略に寄与する両者であるが、製品・サービスの販売・認知の拡大を主目的とするのか、権利としての囲い込みを目指すのかといった狭義の活動の方向性については、性質が全く異なっている。そこで、本稿ではデータマーケティングの側面から、データを用いた両者の有機的な結びつきの発展性を考える。

1.ドリブン要素の整理とパッケージ化が融合へのカギ

一般的に、生産活動を行う場合は、目的なり価値観なりの柱を定めるのが通例である。また、その柱の構築過程にて目的とするスコープ範囲の決定余地もあることから、知的財産の戦略策定過程での、マーケティング寄りの運用も可能であると考える。

さて、改めて知的財産権の種類を確認すると、大きく分けて、特許権・意匠権などで構成される創作意欲の促進を目的にした権利と、商標権などで構成される信用の維持を目的にした権利がある。これらを踏まえつつ、マーケティングの側面を反映させた一案として、前者はシーズ要因を極めることで権利化を実現できるほど明確な差別化戦略を取ることであり、後者は商標を獲得しつつその実績をベースとした宣伝により消費者への認知度を向上させることである。

このように、細分化された小目標をつなぐ形式でマーケティングと知的財産の融合を図る場合、小目標ごとに実現するための異なるドリブン要素の連結を図ることにつながる。つまり、自組織の独自性が反映できる形式で、連想としてのドリブン要素の連結ができることになる。このことは、データ処理上は、少なくとも定性データを含むドリブン要素の手続き上の前後関係が連想検索で可視化を含めてできることにつながる。さらに、それらのデータのグループができるということは、切り出し運用可能なノウハウのパッケージを作りやすくすることを意味する。このパッケージ化はその独立性から、自組織の業態変換・市場変換の際にも競争優位性を発揮するし、ビジネス機能の外部連携および売買にも役立つ。

データ化されたドリブン要素とそのパッケージにより、初期はCRMシステムとの連動での知的財産とマーケット・ニーズとの融合が実現でき、その後は予算管理・SCMなど他システムとの連動で知的財産の生産活動と実効利益の格差が埋まっていくものと考える。

2.ITシステム連動型の知的財産の形成とユーザーイノベーションのより良い実現に向けて

前節のような、ITシステム連動型のデータを軸とした知的財産が形成できると、従来は専門家同士の議論の枠組みの中で検討してきた知財戦略における専門知識を、マーケット関連の知識から参照できてくる。

筆者は、今後のマーケティング分野の発展として、市場により適合した製品・サービスを計画的に開発し的確に売るという観点から、ユーザー参加型の研究開発の機会が益々増えてくると考えており、その際の障壁となる事項は、素人的アイデアと専門知識の意味上の距離感および実現性の距離感であると想定している。知的財産に関するデータマーケティングと融合させる継続的な試みは、結果としてのより良いユーザーイノベーションの実現につながっていくであろう。

参考
特許庁「知的財産権について」


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