• データマーケティング
  • 2015-08-28

Monthly pageview: 1


Tモバイルのビッグデータ活用で発見された衝撃の事実

Tモバイルのビッグデータ収集

「Tモバイル」はドイツに本社があるドイツテレコム傘下の携帯通信事業会社です。日本では使われる機会がないため「知る人ぞ知る存在」ですが、世界的に見るととても大きな携帯通信事業会社です。

前身は国営企業であったことから、ドイツ版「NTTドコモ」と言ってもいいでしょう。ヨーロッパでは極めて知名度が高く、大きなシェアを獲得しています。またアメリカにも進出し、現在では大きなシェアを有する存在でもあります。ビッグデータは、このような大手通信事業会社と非常に相性が良く、多くの発見をもたらしてくれました。

今回は、ビッグデータの活用事例を調査していく中で発見した、Tモバイルの驚くべき事実について紹介すると同時に、ビッグデータを活用しないことで大きなリスクを抱えてしまう可能性があるという点について、ご紹介していきたいと思います。

なぜTモバイルはビッグデータの活用に踏み切ったのか

まず前提として、Tモバイルがビッグデータを本格的に活用しはじめる前の環境について見ていきましょう。Tモバイルは、ドイツ国内で最大手の通信事業会社であるドイツテレコムの傘下にあったことから、発足当初から、かなりの数のユーザーを抱えていました。親会社のドイツテレコムの前身が、郵政・通信事業を行っていた国営企業だったためです。そのため、モバイル端末が普及し始めた時には、固定電話のユーザーをベースにして、モバイル通信での契約を獲得していきました。

しかし、その後状況は一変します。ある時期から、ドイツも日本と同じように、新興の通信事業会社が参入するようになり、通信業界にも市場の原理がはたらくようになりました。Tモバイルの顧客は次々と他のキャリアに奪われるようになります。しかも、当時、Tモバイルの財務状況は悪化しており、非常に大きな危機感を持たれていました。

そこで彼らが取り組んだのは、他の携帯通信事業会社に乗り換えを行うユーザーの動機を探ることでした。そのために活用されたのがビッグデータなのです。Tモバイルは世界中に1億人以上のユーザーを持つグローバル通信事業会社です。このように莫大な数のユーザーひとりひとりの行動や利用形態などを数値化して分析するためには、ビッグデータの活用は避けて通れなかったのです。従来のデータの集計・分析方法では、解析に時間がかかりすぎてしまうばかりか、その確度にも課題がありました。

それではTモバイルがビッグデータを活用して発見した衝撃的な事実について見ていきましょう。

ビッグデータの活用で明らかになった事実

ビッグデータを解析して明らかになった問題の中で、もっとも衝撃的だったのは、ひとりのTモバイルユーザーが解約すると、その後、解約者と電話やメールなどを通してコミュニケーションを行っていた周辺のユーザーも一斉に解約していたのです。いわば「他社への集団乗り換え」が起きていたのです。

その理由は、現在の日本の状況と同じように、よく連絡を取り合う仲間同士は、同じキャリアを使うことで、さまざまなメリットを享受できたからでした。特に家族間では、集団で他のキャリアへ乗り換える傾向が顕著でした。そのため、はじめ誤差程度でしかなかった解約率の上昇は、加速度的に上がり、大量の顧客流出を生み出すことになっていたのです。

ビッグデータを活用したことで、この事実を認識したTモバイルの経営陣は、すぐに対策を講じることができました。他社に乗り換えるよりも、Tモバイルのユーザーであり続けることで、より多くのメリットを得られるような施策を打ったのです。こうしてTモバイルは、問題の原因を正確に突き止め、解決のための正しい対策を行うことができました。

ビッグデータを活用しないことのリスク

もしTモバイルがビッグデータを活用しなかった場合はどのような結果になっていたでしょうか。

実はTモバイルは、ビッグデータを導入する以前から、一定のデータ解析は行い、それに基づいた一定の仮説を立てて対策を行っていました。しかし、ビッグデータと同じ結論を導き出すには相当な時間を要していたことが想像できます。その上、そのデータが正確であるかどうかには疑問が残っていたでしょう。

なかなか原因を突き止められずにいる間に、ユーザーはどんどん流出してしまっていたはずです。いったん流出したユーザーに戻ってきてもらうことは容易ではありませんし、流出数を上回る数の新規ユーザーを獲得するのにも、多くのコストが必要です。

そこまでの状況に追い込まれる前に、既存顧客が流出を阻止するための施策を打つことができたのは、ビッグデータ活躍のおかげであり、もしもそれを怠っていれば、原因を突き止めた時にはもう手遅れだったでしょう。

もちろん、ビッグデータですべての問題を解決できるというわけではありません。しかしTモバイルに限って言えば、問題解決の有効な手段として、ビッグデータの活用は大きな実績を残しました。スピーディな経営判断を行うための、確度の高い情報源として、ビッグデータには他にはない利用価値があるといえます。


BIツールの導入から運用の考え方 全員無料プレゼント

このE-Bookは、攻めのマーケティングでのBIツールの使い方、BIツールの可視化仕様の一提案の記事について、オリジナルの図解で解説したものです。自社の事業特性に合わせてご活用ください。
ダウンロードはこちら(無料)

この事例バックナンバー ─事例記事─

あわせて読みたい ―関連記事―