• コンテンツマーケティング
  • 2015-08-21

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コンテンツマーケティング事例 第1回 サントリーのコンテンツマーケティング戦略

 改めてサントリーという企業を知る

「サントリーホールディングス株式会社」は、鳥井信治郎氏が明治32年に大阪でぶどう酒の製造販売を手掛けたところからスタートした会社です。ワインはもちろん、ビールやウイスキーなどアルコール飲料が主でしたが、1980年以降はソフトドリンクにも力を入れ、現在の地位を築きました。最近では、健康食品や化粧品の「サントリーウエルネス」をはじめ、「ファーストキッチン」や「PRONTO」などの外食産業、生花事業では世界で初めて青いバラの開発に成功するなど多角的な経営を行っています。また、サントリーホールディングス株式会社としては上場せず、ソフトドリンクを主に扱う子会社の「サントリー食品インターナショナル」を2013年に上場させたことでも、話題になりました。

そんなサントリーをコンテンツマーケティング戦略の事例として取り上げたのは、「人と自然と響きあう」という企業理念と、創業以来受け継がれている「やってみなはれ」というチャレンジ精神が、マーケティングとして最大の効果をもたらしているからです。どういうことか見ていきましょう。

ハイボールという成功事例

デジタルマーケティングを業務にしている方なら、ハイボールにおけるデジタルツール活用の効果については周知の事実だと思います。そこで今回は、少し切り口を変えてアプローチしようと思います。

2008年くらいから、サントリー商品のウイスキー「角瓶」を炭酸で割った「ハイボール」の売り上げが伸びています。1983年のピーク時から減少し続け、素材となるウイスキーも市場の縮小に悩まされていました。そこで、サントリーはデジタルツールを活用したのです。

もちろん全国各地の居酒屋をリサーチしたり、ジョッキで飲むスタイルを提案し、専用ジョッキを作ったりしたことなども再ブームの原動力になっています。しかし、それらとデジタルツールをうまく組み合わせたことが躍進への第一歩となりました。

サントリーが当時着目したのがブログでした。昨今、消費者と一体になって商品を生み出し、その商品を広める「共創マーケティング」がトレンドになっています。しかし、当時、まだそういった施策の前例は無いに等しく、手探り状態から試行錯誤が重ねられました。

試作と検証を何度も繰り返した結果、サントリーは、

(1)専用グラスにレモンを一絞りして氷をたっぷり入れる
(2)角瓶「1」に対しソーダーを「4」の割合で入れる
(3)炭酸が抜けないようにマドラーでそっとかき混ぜる

というベストなレシピをつくり出し、いまや誰もがおいしいハイボールを飲めるようになったのです。

こうして生み出されたハイボールの試飲会に、サントリーは、情報発信力のあるブロガーを招待しました。幸運だったのは、参加したブロガーたちの、商品の良し悪しを判断する感覚が非常に優れていたという点です。

サントリーは、ブロガーたちと一緒になってハイボールのことを継続的にプロモーションしていきました。また、ハイボールを扱っている店舗をウェブサイト上で紹介することで、ハイボールファンが求めている情報を提供し、店舗に直接足を運んでもらうというO2O施策も試みていました。従来、大企業が行ってきた、マスメディアのみを使った戦略とは一線を画した複合的な取り組みであったことは特筆すべき点です。ハイボールは、「ハイボールを飲む」という体験を拡散させる施策が最も適した商品だという判断があったのでしょうが、それが正しかったことがよくわかる事例です。

既存の価値を消費者とともに高める

消費者はブログやSNSなどのツールを活用することで、情報や意見などを気軽に発信できるようになりました。さらにその情報を拡散することもできます。最近では、企業にとってマイナスになる情報が拡散される事例も増えていますが、サントリーの場合はそれを良い方向に生かすことができたといえるでしょう。

また、最近の動向として、売り上げの伸び率が緩やかになってきた商品や部門を安易に切り捨て、統廃合する企業が増えています。そのような中で「やってみなはれ」というサントリーの精神と、商品を広める異彩を放ったマーケティング方法の勝利だともいえます。商品へのこだわりと深い理念があったからこそ、ウイスキーの良さをデジタルマーケティングという手法で拡散できたのだと思います。コンテンツを企画立案する際には、伝えたいこと、広めたいことの本質をしっかり考えることが重要だと気付かされた事例でもありました。

次回は、また違った企業に焦点をあてながら、コンテンツマーケティング施策の参考にすべき点を抽出してみたいと思います。


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