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  • 2015-07-24

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iBeaconの使い方をJR東日本の活用事例から学ぶ

iBeaconについて説明する前に、まずはビーコンの説明から始めましょう。ビーコンは日本ではあまり馴染みがありませんが、実はすでに私たちの生活の中にも使われているものです。イメージとしては登山やスキーの際に利用する「雪崩ビーコン」ではないでしょうか。テレビでご覧になったことがあるかもしれませんが、小さな機器で雪崩にあった遭難者の位置を特定し、救助につなげるものです。また、目立たないけれど一番身近にあるのは道路です。車の渋滞情報の管理に使われているテクノロジーである「道路交通情報通信システム」というものもこのビーコンを用いたものです。

iBeaconはアップル社の登録商標で建物の中などでiOSを有するデバイスなどが近くを通過する際に位置を特定して、今自分がどこにいるのかを容易に判断することができます。行きたい場所までの最短距離やルートを知ることができ、同時に周囲にどんな設備や施設があるかも知ることができます。このiBeaconはアメリカでは様々なアプリケーションが開発されていますが、まだ日本では、徐々に浸透しつつあるものの、充分には広がっておらず、今後の市場拡大が期待されているところです。さて、今回はiBeaconを活用する際に参考となる事例を見ていきましょう。

JR東日本のiBeacon活用事例

JR東日本ではiBeaconを使った実験を大日本印刷・日立製作所と共同してJR東京駅構内で行いました。このサービスには下記のように機能が3つあります。

1.駅構内にいるユーザーの位置情報を表示する
2.出発地点から目的地点までの経路表示
3.案内サインを使ったわかりやすいガイダンス

JR東京駅はもともと非常に複雑な構造をしていました。さらに最近大きな改築を行っており、時として方向感覚を失ってしまいそうになる非常に難解なルートになっています。このような場所でiBeaconを使い、現在地を地下でも正確に知ることができるようにする検証実験を2014年3月から2015年の2月までの一年間行いました。

普段わたしたちがマップサービスを利用する場合はGPSを使った位置特定が行われます。しかし地下や建物内は構造的・物理的な制約がありGPSではどうしても不都合が生じていました。ですが、直接建物内に機器を設置するiBeaconを活用することで屋内であっても容易に位置を知ることができるようになります。正確性という観点から見ても、より正確な位置情報を取得できるようにもなります。建物内や地下街などにいる利用者が進行方向を特定しておけば、どちらに、どのくらい進めば良いのかということが瞬時に理解できるようになります。つまり、iBeaconを活用すればGPSが利用しづらかった建物内や施設などで有機的なナビゲーションが可能になるわけです。

なお、JR東日本の利用にあたっての注意事項に「歩きながらのスマートフォンの利用は大変危険です」という記載があります。時折立ち止まって他の利用者の邪魔にならないように利用するよう心掛けたいもの。歩きスマホは大変危険ですからね。

iBeaconを生かした活用方法

この他にもiBeaconを導入している企業は複数あります。たとえばJAL(日本航空)は羽田空港内においてiBeaconを活用しています。
JALではスタッフのいる場所に応じて、もっとも近くにいるスタッフが乗客を案内するなど通常の業務効率化と情報武装を行っています。JR東日本と同じように交通インフラで多くの人が行き交う空港内の各種手続きの煩雑さを解消するために導入されました。空港では何番ゲートが何時に開く、フライト予定時刻が変更になる、乗り遅れのお客様がいらっしゃる、乗継便の案内をするといった多くの業務が存在します。iBeaconはそれらを効率的に確実に実施するためのツールとしても期待されています。このように顧客の利便性のために行うことはもちろんのこと、同時にそこで働くスタッフのためにも活用できるのがiBeaconのメリットでもあります。

このように日本を代表する企業ばかり取り上げるとハードルが高く感じられるかもしれませんが実際はそうではありません。ワイヤレスのiBeaconはそれほど大掛かりな構造ではなくシンプルで小型化が可能です。また一台あたりのコストもそれほど高額ではありません。小型のため、設置にも手間がかからず、ユーザーの目に触れないところに設置することも可能で、屋内における今後のさらなる活用が予測されています。つまり、大きなビジネスに化けるポテンシャルを有しているわけです。
積極的に日本への外国人観光客の誘致を行っている現在、観光産業向けのニーズも見込めます。また、現在スマートフォンを使っているユーザーが高齢になるころには当たり前の技術になっているという将来性も見込めます。もちろん、介護の現場における活用法も可能です。

すでに一部の企業では取り入れられ活用し始めているiBeaconを使ったビジネスがますます増加していくことが予想されている状況の今、マーケティングや新規事業などに関わっている方には新たな武器として活用メリットは大きいと判断できます。


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