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  • 2015-04-17

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加速するO2O戦略。さまざまなO2Oマーケティングへの取り組み【後編】

前回は各企業のO2O戦略とその取り組み例を5つの類型に分けてご紹介しました。今回は5つの類型ごとに、各施策の切り口についてご紹介します。

繰り返しにはなりますが、O2O施策では最終的にリアルなアクションを目指します。そのため、オンラインのみでの関係性以上にリアルな意識を持たなければいけません。言い換えると「ユーザー目線で考え抜いた戦略」でなければならないということです。この基本的なスタンスから離れれば離れるほど、効果も薄いものになります。

それでは、以上の基準から前回同様、5つの類型ごとに見ていきましょう。

1.来店ポイント型

O2O戦略の中でもシンプルな部類に入ります。しかし、シンプルゆえに参加数が見込め、消費者からの参加障壁は低いと言えます。マスを取れたら非常に有効な施策となるでしょう。
前回、事例として取り上げたスマポも現在は楽天の傘下に入っており、楽天会員との相乗効果を狙ったものと推測できます。

入店してチェックインボタンをタップするだけでポイントがもらえるというユーザビリティーは秀逸です。創業者はマッキンゼーを経て当サービスをリリースし、もうすでにいくつかのサービスを打ち出していますが、いずれもユーザビリティーとニーズを意識して作られたものです。今後、楽天がどのように相乗効果を発揮するか注視したいところです。

2.コラボレーション&企画型

コラボレーション&企画型のO2O戦略はコンビニ業界を取り上げて紹介しました。特にキャラクターやアニメとのコラボレーションなど、エンターテインメント性はもちろん、限定感を出すことで利用頻度を上げようという意図を感じます。もともとコンビニエンスストア自体が利便性を考えてつくられているのでトライアルユースの要素もあります。

一度利用すると、「こんな価格でこのスペックの商品があるのか」と驚くことが多くあります。内容が伴っているからこそできるサービスであり、日本のコンビニエンスストアのマーケティングのレベルの高さを感じることができます。つまり、消費者目線を常に意識している、ということが言えるでしょう。

3.店舗内販促型

このO2O戦略は他の類型よりも発展途上段階にあります。前編ではグランベリーモールとスポーツオーソリティが早い段階から店舗内販促型のO2Oに取り組んでいるということを紹介しました。

この戦略をラフに言ってしまうと囲い込み型のO2O戦略です。囲い込みといえば聞こえは悪いですが、顧客の便宜に配慮した施策が打てるのであれば大きな武器になります。送信情報に価値があり、検索しなくても自動的に情報伝達をしてくれるならリマインダーとしても機能します。顧客とのご近所様的な関係を築くポテンシャルがある戦略と言えるでしょう。

4.クーポン&セールス型

GAPは誕生月に合わせてクーポンを発行し、リアル店舗でのセール時でも使用が可能です。クーポン&セールス型は基本的には売上をメインに考える施策なので、セール時期にも使えるクーポンということでロジックも一貫しています。顧客の利便性の観点からも望ましい手法です。
今後利用の可能性が高いのはトライアルユースでの使い方であると考えます。商品の質に自信があり、LTV(顧客生涯価値)が高い水準で見込めるのなら利用しない手はありません。中小企業でも有効に使える方法なので、商品力に自信がある会社ならば一度は検討するべきでしょう。

5.インフラ型(流通システム)

丸善・ジュンク堂書店はクラウドを使って受発注から流通を一元管理できるシステム構築を行っています。目標に掲げるのは国内の各書店がそれに参加することで、クラウド日本書籍店連合を作り上げることです。

流通インフラ型のO2Oで特に顕著なことは、他のO2O戦略はマーケティングや販促的な側面が強く出るのに対して、モノの流れを大きく変えることができる点です。しかし、最も便宜を享受できるのは、やはり使用者であるユーザーであるべきです。ジュンク堂書店ではウェブで注文した商品を自宅への配送はもちろん店頭で受け取ることもできるということで、より利用しやすいように考えられています。

O2Oマーケティング戦略で重要なのは顧客視点と利便性

店頭で店員に商品をすすめられたときに断るという行為は、来店者にとって負担になる場合があります。その点O2O戦略を利用した形であれば簡単に解決することもできます。ウェブでのリコメンデーションは無視、あるいは放置という不作為による拒否が簡単にできるからです。

いかに顧客のためになるのかということを検討したうえでO2O戦略を構築しないと実際のアクションには至りません。軽いコミュニケーションではごまかすことができないということです。単純な数だけを競ってきた施策は通用しません。

今回、前編と後編の2回に分けてO2O戦略について見てきましたが、高度な顧客目線が求められるという点が何より重要です。今後のO2O戦略も実際にアクションしてもらえるような顧客の利便性を突き詰めた内容でないと、数ある施策の中に埋没してしまうでしょう。

バイラルされるようなエンターテインメント性をもった施策が増加することは間違いありません。また商品そのものの価値を知ってもらうためのテストマーケティングやトライアルユースの利用も増えることが予想されます。

各企業の取り組みを興味深く見ているとO2O戦略のヒントが隠されています。これからもO2O戦略の動向をチェックしていきましょう。


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