• コンテンツマーケティング
  • 2015-03-18

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動画配信サービスとプラットフォームの現状と今後について

近年、動画配信サービスの国内市場は増加の一途をたどっており、2018年には1632億円まで至ると予測されています。
また、それに合わせて動画を使った広告宣伝、プロモーション、キャンペーンなども増大していますが、これにはテクノロジーの進歩はもちろん、ビッグデータが活用できるようになったことが寄与しています。
またそれに伴い、最近ではマーケティングの一環として動画のデータ解析をするために、有料の動画配信プラットフォーム(OVP=Online Video Platform)を利用し、自社サイト(オウンド)で動画を配信する企業が増えている傾向にあります。

動画配信プラットフォーム(OVP)とその市場動向

動画配信プラットフォームは、CDN(Contents Delivery Network=動画配信のインフラ)の上で動くクラウドアプリケーションのことで、動画コンテンツのアップロードをしたり、動画にタグつけたりといった管理システムを意味します。データを受信するデバイスや通信回線・状況に応じて最適な動画を配信できます。

また、解析機能も含めた機種が多く、動画を視聴した人の属性などのデータをマーケティングに活用することもできます。もちろん、Google AnalyticsやSite Catalystとも連携もできるため、流入経路などの細かいデータ解析も可能性です。

拡大していく国内動画配信プラットフォーム市場

動画配信プラットフォームの国内市場は、2014年で62億円、2018年には100億円を超えると予測されています。
国内市場では、Jストリーム社とビムーブ社がNo.1を争っている状況です。
Jストリーム社は上場もしている老舗企業で、コンテンツの制作から配信まですべてを委託できるのが強みです。ちなみにCDN(Contents Delivery Network=動画配信のインフラ)のプレイヤーとしては、アカマイ・テクノロジーズ社、CDNetworks社などがあり、アカマイ社は世界No.1のCDN業者であり、シェアは70%にも及び、日本国内でもほとんどの会社がアカマイ社の配信ネットワークを利用している状況にあります(※2015年1月時点)。

動画配信の目的に寄って異なるプラットフォームと各社の試み

一般的に動画配信というとYouTubeを思い浮かべる方が多いと思いますが、YouTubeは不特定多数のユーザーに対する露出形式のため、「見せること」自体が目的で、コストを抑えたい場合に使用されることが多くなっています。また、自由度が低くダウンロード形式であるという課題を抱えています。
これに対して、有料動画配信プラットフォームは、明確なコンバージョン目的があり、自社サイト内で回遊させたい、サイト外のリンクを貼りたくない、タレントやキャラクターなどの権利を守る必要があり、マーケティングのデータ解析をしたいときなどに利用されます。

企業としては、どちらを選択しても構いません。サントリー社のようにYouTubeと自社サイトの両方に、動画を設置するといった方法もありますし、コカ・コーラ社のようにYouTubeをフル活用している会社もあります。
社内向けのシステムやポータルに動画を利用する企業が増えているため、企業向けのニーズは今後も伸びると思われます。
とくに、ソニー社やスクウェア・エニックス社、任天堂社などのゲーム関連企業、カーナビ関連の企業は、動画配信の規模が大きく、今後も伸びる分野といえるでしょう。
それでは、実際にいくつか動画配信プラットフォームを使ってマーケティングをしている会社の事例をみてみましょう。

動画配信サービス事例1 堅実なPDCAを試みるサントリー社の動画マーケティング

昨年YouTube上で”女子高生が忍者のように飛び回る!”と話題だった「忍者女子高生 Japanese Schoolgirl Chase」。この動画はサントリーの炭酸飲料「C.C.レモン」のプロモーションビデオでした。
一見どこにでもいそうなごく普通の女子高生二人組が主人公。スマホで動画撮影と思ったら教室から逃げ出し、熱海の街を舞台に壮大な追いかけっこが始まる。その姿はまるで現代版”忍者”そのもの、といった内容です。

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(画像参照元 サントリー公式ブログ:http://topics.blog.suntory.co.jp/006385.html)

いろいろと走り回って最後は浜辺でCCレモンを飲むところでエンド。ただしCCレモンはバックパックに入れてあったので開けると炭酸があふれ出るという落ちになっています。

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(画像参照元 サントリー公式ブログ:http://topics.blog.suntory.co.jp/006385.html)

同社は、近年動画マーケティングに注力しており様々な製品の動画を展開しています。
使用している動画配信プラットフォームは、ブライトコープ社の「Brightcove」を使用しており、マルチデバイスへの対応を意識すると共に、動画のデータ解析においても注力しています。
実際に、「どの場面でユーザーが動画から離脱したのか」、「最後まで見た人はどれくらいいるのか」、「どのデバイスで視聴したのか」などの解析データを参考に、どうしたら離脱率を下げられるのか、飽きさせない工夫をするにはどんな企画があればいいのか、ちゃんと見てもらえる適切な時間(秒数)はどれくらいなのか、などの考察をコンテンツ制作に生かしている状況にあります。

動画配信サービス事例2 ライブ配信を行うことが出来るCDNを選んだ東京マラソン

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(画像参照元 東京マラソン2015公式HP:http://www.tokyo42195.org/2015/news-media/)

冬の風物詩、東京マラソンの特設サイトでは、2015年にライブ配信を行いました。
ここで動画配信プラットフォームを利用した背景には、先にも記述したとおり中継の遅延を無くしたいというニーズから、つまりWEBサイトの表示速度が遅くなるのを回避したいという理由があります。
WEBサイトの表示速度が遅くなる(あるいはサーバーがダウンする)原因は、データベースにまつわる(データ容量が大きい)ことか、ウェブサーバーの負荷が高くなっている可能性があります。
また、参加申し込みにおいて一時的に一度にアクセスする量も膨大なものになるので、事務局のウェブサイトに繋がりづらいというクレームがおき、それをきちんと処理・対応できる意味でもしっかりとしたCDN業者を介することが大事であったといえるでしょう。

動画配信サービス事例3 パナソニックソリューションテクノロジー社 「ek-Bridge」

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(画像参照元 パナソニック株式会社公式HP:http://panasonic.biz/it/itie/lms/ekBridge.html)

パナソニックグループの一員であるパナソニック ソリューションテクノロジー社は、長きにわたって受け継がれてきた「企業は社会の公器であり、事業を通じて社会に貢献する」というパナソニックの企業理念と、「ものをつくる前にひとをつくる」という人材育成指針を基に、幅広い教育事業を展開しています。
「ek-Bridge」によって、パナソニックが13年の設計・運用経験で培ったノウハウを活かした学習管理システム(LMS:Learning Management System)であり、今までナレッジ共有が難しかった営業トークや製造工程マニュアルといったコンテンツの共有が、動画配信プラットフォームにより一層容易になりました。

ちなみにVODのB2Bマーケットでの利用例としては下記のようなものが想定されます。
企業サイト内において、まず企業情報関係では企業(経営者)ビジョンの紹介、プレスリリース、CSR活動報告、IR活動報告など。キャンペーン関連では、TVやSNSとの連動、CMの紹介、CMメイキングVTRの紹介、製品紹介など。
インナーコミュニケーションとしては、営業向け教育ツール、社内情報共有VTR、社員勉強会・セミナーなど。こういったB2Bの事例はこれからますます増えていくでしょう。

動画配信サービス事例4 既存コンテンツの選定がカギになる楽天市場の動画

こちらは楽天社の動画市場「Rakuten SHOWTIME」である。動画配信プラットフォーム(OVP)を使って大容量のコンテンツを配信している。主としては映画、ドラマなどのコンテンツを配信しており、パソコン、タブレット、スマートフォンなどの各種デバイスに対応しています。

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(画像参照元 Rakuten SHOWTIME公式HP:http://video.rakuten.co.jp/)

当然、こちらも動画配信プラットフォームの解析ツールを使用しています。
サービスの特徴として、コンテンツの選定が主軸になるため、デバイスの流入経路や視聴時間などのデータをまとめ、ユーザーが求めるコンテンツの方向性を解析し、よりよい動画配信をするために活用しています。
また、Rakuten SHOWTIMEの中にも「見逃し配信」というコンテンツがありますが、これはドラマなど番組放送後、自社サイトで動画配信をするサービスで動画配信マーケットのトレンドとなりつつあります。

動画配信サービスとプラットフォームの今後

国内でWEBサイトに動画を掲載する企業は増えていますが、それをマーケティングとして細かいデータ解析をする企業はまだ少ない状況にあります。
しかしながら圧倒的に動画の利用量が増大すれば、今後はこういった企業は確実に増えていくことが予想できます。
ビッグデータ全盛期であることや、有料の動画配信プラットフォームを活用する機会の増加にともなって、ユーザーにより適切なコンテンツを届けられるよう、一層の努力が払われることになるでしょう。
まだまだ動画配信のマーケティングは開かれたばかり、今後の動向が楽しみな状況となっています。

【参考】
・サントリー、東京マラソン、パナソニックソリューションテクノロジー、楽天、各ホームページ
・野村総合研究所「ITナビゲーター(2014年版)」
・デジタルインファクト(シード・プランニング)「動画配信ビジネス 総合調査レポート」
<敬称略>


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